大判例

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東京高等裁判所 昭和42年(行ケ)158号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(本件審決を取り消すべき事由の有無について)

二 原告は、本件審決の取消事由として三点を挙げてその違法を主張するが、原告のこれらの主張はいずれも理由がないものといわざるをえない。すなわち、

(一) まず、被告の審判請求の利益の点についてみるに、被告が本件審判請求前から引き続き簾の製造販売を業とし、本件登録意匠権の侵害をめぐる民事訴訟が本件当事者間に係属していたことは、当事者間に争いのないところであり、これらの事実によれば被告は本件登録意匠につき登録無効の審判を請求するにつき法律上の利益を有するものと認めるに十分であるから、本件審判請求を却下することなく、実体につき判断した本件審決は、結局、正当というべく、この点に関する原告の主張は理由がない。

(二) 原告は、また、実用新案と意匠とは性質を異にするから、実用新案公報である引用例の図示説明をもつて意匠類否の判断資料としたことは誤りである旨主張するが、意匠法にいわゆる意匠は、いうまでもなく、物品の形状、模様等で視覚を通じて美感を起させるものであれば足り(同法第二条第一項参照)、それが表示ないし記載された刊行物の種類性質を問うものではないから、原告の右主張は、到底採用しがたい。

(二) 原告は、さらに、本件審決が「丸管をやや扁平にした形のもの」が引用例に図示説明されているとしたことを誤りであると非難するが、この非難は当たらないといわざるをえない。けだし、引用例の実用新案公報によれば、その第一図及び第二図中「1」の符号をもつて示されたものが、本件審決認定のとおり、「丸管をやや扁平にした形のもの」と認めることができ、他にこの認定を左右すべき証拠資料はないからである。

(むすび)

三 叙上のとおり、その主張の三点に違法があるとして本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものというほかはないから、これを棄却する。(三宅正雄 石沢健 滝川叡一)

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